ブリーチング剤(ホワイトニング剤)と液性
2017年5月28日 【ブログ】
こんにちは。
福岡市中央区 薬院・警固・赤坂エリアの歯科医院、帆鷲デンタルクリニックです。
今回は、ホワイトニング剤とその液性についてお話しいたします。
現在、日本で使用されているオフィスホワイトニング剤は、アルカリ性、弱酸性、酸性の3つに分類されます。
アルカリ性漂白剤では、過酸化水素から発生するOHラジカル量が増えるだけでなく、アルカリによる洗浄効果を併せ持ちます。
これは、アルカリのペプチド結合分解作用により着色有機成分が分解、除去されることによります。
酸性漂白剤の場合は、触媒(鉄、マンガンなどの金属)を添加することによって、OHラジカルの発生量を増大させています。
アルカリ性のような洗浄効果はありませんが、酸性であることから、硬組織に対し弱い脱灰作用をもつことになります。
これは、エナメル質の表層をわずかに一層溶解し漂白剤の歯質内部への浸透が向上するという効果を生みます。
しかしながら、結果的に表層下脱灰を生じやすくなります。
弱酸性漂白剤は、ほぼ生体表面のpHと同じであり、液性による付加効果はありません。
したがって漂白効果はOHラジカルの発生量のみに依存することになります。
酸性漂白剤と同じようにマンガンなどの金属を添加したり、OHラジカル発生のもう一つの要因である「光」を利用するため、光触媒(二酸化チタン)を配合しているものもあります。
ホームホワイトニング剤はオフィスホワイトニング剤に比べて長時間作用させることから、より酸やアルカリに影響を受けやすくなります。
そのため、歯質に対する安全性の観点からほぼ全て中性となっています。