虫歯菌と砂糖の関係
2020年10月13日 【ブログ】
こんにちは、福岡市中央区 警固・薬院・赤坂エリアの帆鷲デンタルクリニックです。
今日は、虫歯菌と砂糖の関係についてお話します^ – ^
虫歯菌(ミュータンスレンサ球菌)と砂糖(スクロース)。
この二つはベストカップルと言えます。
虫歯菌の食料となり、酸を作る材料となる「発酵性糖質」は、スクロース以外にもいくつかあります。
ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖などです。
しかし、虫歯菌はスクロースからネバネバする物質である「ムタン」(グルカンという多糖の一種)を合成できます。
ムタンを合成できるのは数百種類の口腔内細菌のうち虫歯菌のみで、ムタンんを合成する材料となるのも糖のうちスクロースのみです。
他の糖からは合成できません。
ムタンを作れることがなぜ、虫歯菌に重要かというと、ムタンは「水に溶けず粘着性が強い」のです。
粘着性により、虫歯菌は歯の表面に強く付着できますし、他の細菌を巻き込んでプラーク(細菌の塊)を速やかに形成し、しかもその構造を強固にできます。
水に溶けないので唾液にも強いです。
強固なプラーク内には、虫歯菌以外にも多くの細菌が住み着き、発酵性糖質を分解して有機酸を作ります。
その結果プラーク内のpHが賛成になり、はのエナメル質を攻撃して脱灰が起こり、ひいては虫歯になっていきます。
プラークの外側には唾液が存在し酸を中和する作用がありますが、強固なプラークのなかには入り込みにくいのでなかなか中和できません。
そのためプラークがつきやすい場所は虫歯のリスクが高いのです。
虫歯が働くうえで、またとない環境を作ってくれるスクロース。
虫歯菌とスクロースは広いお口の中で出会った運命のパートナーと言えます。
でもその出会いは人間には災難ですね。