お口が全身に及ぼす影響
こんにちは、福岡市中央区 天神・警固の帆鷲デンタルクリニックです。
今日は、お口が全身に及ぼす影響についてお話しします。
1.口臭
生理的口臭と病的口臭の大きく二つに分けられます。
生理的口臭の場合は歯科治療の必要はありませんが、病的口臭の場合は、歯周病や虫歯などを治療することで多くは軽減できます。
2.心・循環器疾患
歯周病菌や虫歯菌が血液中に流れ込み、心臓の内膜に歯周病菌が付着すると心内膜炎という心臓病を引き起こします。
これは死に至ることもある重篤な病気です。
歯周病が狭心症や心筋梗塞などのリスクを高めることも分かってきています。
3. 脳血管疾患
脳梗塞の要因の一つとして血管が詰まった部分(アテローム)に歯周病菌が見つかることがあります。
歯周病を治すと脳梗塞の予防につながります。
4. メタボリックシンドローム
歯周病菌の酵素は悪玉コレステロールを血管壁に蓄積させ(アテローム)、動脈硬化を促進させます。
メタボになるとコレステロール値が上昇するので「動脈硬化」のリスクが高くなります。
5. 早産・低体重児
歯周病で炎症が起こるとプロスタグランジン(PGE-2)などの化学物質が体の中で発生します。
これは子宮の収縮を起こさせる物質なので、歯周病にかかっている人は早産を起こす可能性があります。
結果、低体重児出産にもなります。
6.認知症
歯周病菌は動脈硬化や脳梗塞を助長します。
治療すれば脳血管性認知症の発症の軽減につながります。
また、歯周病がアルツハイマー型認知症を発症させることも指摘されています。
7. 肩こり・頭痛(顎関節症)
噛み合わせが悪いと無意識のうちに左右のバランスが悪い不自然な噛み方で食事をしてしまいます。
アンバランスは顎関節症を引き起こして筋肉の痛みを伴うようになり、肩こり・頭痛まで起こします。
8.肺炎
口の中が不衛生であると、歯周病菌などの細菌が期間を通して肺に至り、肺炎を引き起こします。
特に高齢者など飲み込む力が低下している人は要注意です。
肺炎は高齢者の死亡原因の上位を占めており、そのほとんどが誤嚥性肺炎と言われています。
9.糖尿病
糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が糖尿病を悪化させるという相互に悪影響を及ぼします。
歯周病により炎症が続くと体内に炎症性サイトカイン(TNF-α)が増えCRP(炎症パラメーター)が上昇します。
この状態は体内インシュリンの働きが妨げられ糖尿病が悪化します。
歯周病を治すと糖尿病の数値(HbA1c)が低くなります。
10.リウマチ
関節リウマチ患者は歯周病にかかりやすく、さらに口腔内を不衛生にしている患者は歯周病が重症化します。
また関節リウマチと歯周病の原因や病態にも共通点が多々あります。
どちらの病気も炎症性サイトカイン(TNF-α)が関係しており、遺伝や生活習慣においても共通点が見られます。