それって唾液不足の兆候かも!?
こんにちは!福岡市天神・警固の帆鷲デンタルクリニックです。
本日は「唾液不足」についてのお話です。
【アメがほしくなるそのわけは】
日頃、電車の中やコンサートや演劇の開演前などに、年配の女性たちがバッグからアメを取り出してお友達や周囲の方に配っている姿って、よく見かけますよね。
おすそ分けはうれしいものですし、話がはずむ格好のきっかけにもなって「あめちゃんいかが?」はミドル女性のあいだですっかり定着しています。
でも、これってなんで「ミドル世代」に特有な行動なんでしょう?
この世代のかたが「なんとなく口さみしい」と感じてアメが欲しくなるのには「ちょっと甘いものが欲しい」ということ以外にも、じつはワケがあります。
アメをなめると、お口のなかではある変化が即座に起きます。
それは「唾液の分泌」。
アメを舌の上で転がすと、その刺激で「唾液腺」という唾液を作り出す器官がおおいに刺激されて、唾液がジュワッと分泌されるのです。
パサついたお口のなかが唾液でうるおう感覚というのは、とても気持ちのいいもの。
乾いてカサカサの手にハンドクリームを塗るとしっとりとして気持ちがいいのと同じように、外出中にアメが手放せないという方が味わっているのは、甘みだけでなく、それと同時に感じられる、この「うるおい感覚」なんです。
クッキーでもなくチョコでもなく、「アメ」が好まれるのは、口のなかで転がすだけで唾液腺がおおいに刺激されてすぐにお口のなかがうるおうから。
「口さみしい」と表現されているお口の違和感は、もしかしたら唾液の分泌が減ったことによるものかもしれませんね。
【お口の変化は女性に起きやすい?】
こうしたお口の変化は、年齢とともにお口の周りの筋肉がやせたり、持病のお薬を飲むようになったりといった、さまざまな要因によって起きやすくなります。
ミドル世代、なかでも女性にお口のパサつきを感じるかたが多いのが特徴で更年期を迎えて女性ホルモンが急激に減ることも、唾液分泌量の低下の一因だと考えられています。
ところで、お口の周りの筋肉がやせると、なぜ唾液が減りやすいのでしょう?
それは、筋肉の運動量が知らず知らずのうちに減るために、唾液腺への刺激が減ってしまうから。
「外出するときにアメちゃんが手放せない」というのは唾液の分泌量の低下が疑われる兆候の典型例ですが、じつは「頬がやせた」「くちびるや鼻の下がやせた」といった、お化粧中に気づくようなお顔の変化も唾液不足になりやすいひとつの兆候といえるのです。
【アメちゃんでむし歯が急増!?】
一見ほほえましい「アメちゃんいかが?」でも歯の健康にとって、とても困った生活習慣なんです。
唾液には歯と同じカルシウムなどがたっぷりと含まれていて、むし歯になりかかった歯を補修する大切な働きをします。
ですが、分泌が減るとその作用が十分に働かないうえ、砂糖を頻繁に摂ることによってむし歯菌が元気になるのでダブルパンチでむし歯が増えやすいんです。
本当はデンタルガムを噛むのがいちばんですが、人前でガムはちょっと...というかたは多いかも。
そこで、アメをなめるならぜひノンシュガーのものを。
そして「唾液が減っているかな?」と思ったら、ぜひ歯科医院で定期検診を受け、むし歯予防の指導を受けてくださいね!