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歯茎から出血するのはなぜ?

2019年3月6日 【ブログ
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こんにちは!福岡市天神・警固の帆鷲デンタルクリニックです。

 

歯みがき時の出血が心配になって歯科を受診する患者さんは多くいらっしゃいます。

歯みがきをした時やリンゴなどの硬い物を食べたときに歯ぐきから血がでやすいというのは、歯ぐきに炎症があるからです。

炎症を起こした歯ぐきは色が赤く、腫れてブヨブヨになります。

歯科では、歯の表面を乾燥させるためにエア(圧縮空気)をかけますが、炎症を起こした歯ぐきはエアが当たると歯からペロンと簡単にめくれます。

これは歯と歯ぐきのあいだに深い溝、つまりポケットができているからなのです。

エアをかけて歯と歯のあいだや歯のへりをよく観察すると、歯の表面にベットリとプラークや歯石がついているのが見えます。

歯ぐきに炎症を起こすのは、プラーク(細菌の塊)です。

歯石はプラークが石灰化したもので、そのなかの細菌は死んでいますが、プラーク中の細菌は大部分が生きていて、細菌やその産生物が歯茎のなかに侵入しようとします(歯石自体が炎症を起こすのではなく、プラークのついた歯石が炎症を起こします)。

すると、侵入を防ぐために、からだを守る白血球が集まり、血管の拡張と充血が生じ、炎症部は浮腫が起こりブヨブヨに。

その部位に歯ブラシなどの刺激が加わることで、出血するようになるのです。

血が出るのが怖いからといって歯みがきしないでいると、炎症はますます悪化します。

歯ぐきがさらに腫れて、ポケットがより深くなると、歯みがきがもっとしにくくなります。

そうなると歯ぐきの炎症を悪化させる悪玉細菌がさらに増え、次第に歯を支えている骨(歯槽骨)をも壊していきます。

そのうち歯がぐらつき始め、腫れも引きにくくなって、血だけではなく膿も出て、口臭もひどくなります。

できるだけ早く適切な歯周病の治療を受けないと、やがて歯は抜けてしまいます。

歯みがき時の歯ぐきからの出血は、早めに治療を受けるべきサインです。

歯科医院で歯周病の状態を診てもらい、大きな原因であるプラークを除去する歯みがきの仕方を指導してもらってください(歯石は歯ブラシでは取れないので、専門の治療器具で除去してもらいましょう)。

ただし、歯みがきだけでは歯と歯のあいだにこびりついたプラークを十分取り除くことはできません。

歯並びや歯ぐきの状態にあった、糸ようじやデンタルフロス、歯間ブラシの使い方も教えてもらってください。

ブヨブヨした歯ぐきの腫れは、適切な治療を受け1週間もすればかたく引き締まり、歯みがき時に出る血の量も減ってきます。歯周病の初期段階である「歯周炎」の状態なら、健康な歯ぐきに戻る可能性も高いです。

末永く自分の歯を保つために早めに治療を受け、セルフケアに励み、定期管理を受けましょう。

もし、しっかり歯みがきしているのに出血が続く場合、糖尿病、ホルモンの変調、ビタミンC欠乏症なども考えられますので、大きな病院での検査をおすすめします。